「 経営改善計画」の着眼点

(1)精密な財務計画の策定

将来売上高の予測を過年度の実績を商品別・取引先別などに区分したうえ詳細な分析を行い、新商品開発サイクルや商品ラインナップ構成、新規顧客や販売チャネルの開拓見込みなどを精密に分析・検討したうえで、十分に達成可能と考えられる目標数値の策定を行う、又コスト面に関しても、固定費を中心に個々の費目の削減余地について徹底的な洗い出しを行い、具体的に実現可能な削減目標を設計する。

(2)具体的な アクションプランの策定

経営改善計画の達成を確実なものにするため、現状および改善計画に盛り込まれている今後の経営方針などについて、経営陣から全従業員に対して十分な説明をおこない、全社での危機意識の共有をおこなうこと。
また、商品開発、仕入・調達、営業など各部門別に具体的な達成目標・期限・責任者などを定めたアクションプランを策定し、改善計画の実現に向けて取り組むべき事項を業務レベルにまで詳細に落とし込むこと。このアクションプランは、月次で行われる定例会議においてその達成状況を確認するとともに、未達事項についてはその原因を究明したうえで、即座に改善策の立案および実行すること。

(3)キャッシュフローによる債務償還見込み

甲社の事例では、策定された改善計画によると、計画五年目の三月期には簡易キャッシュフロー(当期純利益+減価償却費)は九百万円、借入金残高は八千八百五十万円となる見込みである。つまり、今後五年間で借入金残高を年間キャッシュフローの十倍以内の範囲に圧縮することが可能な計画となっている。

甲社の直近3期の業績経過 ( 単位:千円)  作成事例の参照はTKC22・10

( 07・3期) ( 08・3期) (09・3期) (No453)より
売上高 451,300 397,100 361,400
変動費 338,500 301,800 276,500
限界利益 112,500 95,300 84,900
固定費 108,700 92,800 83,500
経常損益 3,800 2,500 1,400
税引前損益 3,000 2,500 1,000
当期純損益 2,200 1,800 200 定期預金と相殺 10・3期処理
借入残高 151300 156,500 a 158,800  (b △28,000) a-b 130,800

 

甲社の今後5年の経営改善計画 ( 単位:千円)

( 10・3期) ( 11・3期) (12・3期) ( 13・3期) ( 14・3期)
売上高 343,300 345,000 361,400 352,700 356,900
変動費 257,500 255,300 258,400 259,200 262,300
限界利益 85,800 89,700 90,800 93,500 94600
固定費 76100 78800 79200 81300 82000
経常損益 9,700 10,900 11,600 12,200 12,600
税引前損益 9,700 10,900 11,600 12,200 12,600
当期純損益 5,600 6,300 6,700 7,100 7,300
減価償却費 2,000 2,000 1,800 1,700 1,700
簡易キャシュフロー 7,600 8,300 8,500 8,800 9,000
借入残高 123,200 114,800 106,300 97,500 88,500

 

(4)「金融検査マニュアル」等との関連→(実・抜 経営改善計画)

「中小・地域金融機関向けの総合的監督指針」によると、
「実現可能性が高く抜本的な 経営改善計画に沿った金融支援の実施により経営再建が開始されている場合には、当該貸出金は条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えない」とされた。
経営改善計画は、売上高・費用を含む損益計画の策定において、詳細な分析を行ったうえで実現可能と考えられる数値目標を設定したものとなっている。例示ではとくに取引業者との連携商品などの新商品開発を踏まえて、売上高や費用の増加の数値予測を実現可能性の高いものとし文章化した点は 金融機関からも高評価を得られ又実績数値の把握につては、決算書に対してTKCの「記帳適時性証明書」が発行されており評価が 高い。その後、例示の企業では、目標達成のために具体的なアクションプランを策定し、関係者の責任の所在を明確にし、改善に向けて 全社員でとりくんでいる。これらの状況を勘案すれば、本案件における経営改善計画は、貸出条件緩和債権 の解除条件を満たしているものと考えられ、金融機関の合意を得ることが容易であると言える 。

(5)アクションプランの実行

問題点を会社全体で認識しながら、その解決のための課題を策定する。本例示であれば、商品開発・仕入れ・調達・営業などの問題である。
誰が、何時までは、なにを、どのようにして、問題解決をはかるのか。アクションプランとして会社全体で発表するなど、会社全体で共通認識をもつこと、とした。
さらに、このアクションプランは、毎月の会議で進捗状況を確認し実現に向け 邁進するように次に示す目標管理体制(PDCAサイクル)に顧問税理士事務の積極的関与が寄与(巡回監査・期中、決算業績検討会)している。

P (計画)中期経営計画の策定、短期経営計画の策定

D (実行)選択と集中、実行、成果の拡大、迅速・正確な月次決算

C (検証)全社・部門別の予算実績差異分析・期末業績予算

A (対策) 販売計画の見直し、固定費圧縮計画、戦略的決算対策

金子会計事務所
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